CHIKATABI

公開 2026-09-04

ANA×IHGステータスマッチ|30万円の課金より先に、自分のANAステイタスを見てください

この記事は2026年9月時点の情報です。 ANAとIHGのステータスマッチは詳細が2026年10月に発表される予定で、対象ホテルや2泊の数え方などはまだ公表されていません。

「ホテル修行をしなくても、約30万円払えばIHGの最上位が全部そろう」という方法が紹介されています。金額まで具体的に出ているので、本気で検討している方もいます。

結論を先に書きます。

ANAのダイヤモンドステイタス以上を持っているなら、必要なのは30万円ではなく2泊です。 クラブラウンジの年間メンバーシップまで、そこで届きます。

理由は、このステータスマッチで配られているのが「称号」ではなく「宿泊実績そのもの」だからです。

その2泊は、関門ではなく計算された2泊

ANAが2026年4月に発表した内容は、次のとおりです。

ANAマイレージクラブのステイタス 対応するIHGのステイタス 追加で必要な宿泊実績
ダイヤモンド+More ダイヤモンドエリート 最低2泊
ダイヤモンド プラチナエリート 最低2泊
プラチナ ゴールドエリート なし
ブロンズ シルバーエリート なし

この「最低2泊」を、ステイタスを与える代わりに自分で泊まってこいという関門だと読んだ方が多いと思います。私も最初はそう読みました。

関門ではありません。

IHGは泊数で会員ランクを決めています。ステータスマッチでは、ANAのステイタスに応じた泊数がそこに積まれます。会見資料を報じたトラベルWatchによると、その泊数とIHG側で必要な泊数は次のようになっています。

ANAのステイタス 付与される泊数 届きたいIHGランクに必要な泊数
ダイヤモンド+More 68泊 ダイヤモンドエリート 70泊 2泊
ダイヤモンド 38泊 プラチナエリート 40泊 2泊
プラチナ 20泊 ゴールドエリート 20泊 0
ブロンズ 10泊 シルバーエリート 10泊 0

68に2を足すと70。38に2を足すと40。プラチナの20とブロンズの10は、そのままぴったり届いています。だから上のふたつにだけ2泊が要って、下のふたつには要りません。

あの2泊は、関門として置かれたものではなく、届かないぶんを埋めるための2泊でした。

なお、この泊数の対応表はANA公式サイトには掲載されていません。出どころは4月22日の共同発表会を報じたメディアの記事です。ANA公式リリースで確認できるのは、ステイタスの対応と「最低2泊の宿泊実績が必要」というところまでです。

対応表に載っているのは、ダイヤモンド+More・ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズの4つです。スーパーフライヤーズカードを持っていること自体は、この表にありません。

40泊と70泊の節目に、ラウンジが置いてある

泊数で決まるのは会員ランクだけではありません。

IHGには、泊数の節目ごとにごほうびを選べる仕組み(マイルストーンリワード)があります。20泊から始まって、10泊ごとに100泊まで。ふつうは節目ひとつにつき1個ですが、40泊と70泊のところだけは2個選べます。

そして、その40泊と70泊の選択肢に、クラブラウンジの年間メンバーシップが入っています。

ANAのステイタス 2泊足して乗る節目 選べるごほうびの数 ラウンジの年間メンバーシップ
ダイヤモンド+More 70泊 8個 選べる
ダイヤモンド 40泊 4個 選べる

選択肢はラウンジだけではありません。ボーナスポイント、ホテルでの飲食に使える券、そしてスイートへの確約アップグレードがあります。確約アップグレードは空室待ちではなく、泊まる前にスイートを確定させられるものです。ダイヤモンド+Moreの方は、ラウンジと一緒にこちらも取れます。

ひとつ正直に書いておきます。マッチで付与された泊数がマイルストーンリワードに算入されるかどうかは、IHGの規約の文言だけからは確定できていません。 規約は「暦年内に完了した滞在のエリートクオリファイングナイツで獲得する」という書き方をしています。上の「8個・4個」はメディアの報道にある数字で、IHG公式の節目表から数えた個数とは一致していますが、公式の明文は見つかっていません。10月の詳細発表で確かめる必要があります。

約30万円の内訳は、どこが消えてどこが残るか

紹介されている課金プランの金額は、3つに分かれています。

項目 金額 2泊で置き換わるか
IHGダイヤモンドエリートの直接購入 218,800円 置き換わる
クラブラウンジ+スイート確約券2枚のオプション 56,711円 置き換わる
上2つの合計 275,511円 置き換わる
インターコンチネンタル アンバサダー 年会費225ドル 残る

上の2つは消えます。ステイタスもラウンジも、スイートの確約券も、2泊で届く場所に置いてあるからです。

残るのは3つ目だけです。インターコンチネンタル アンバサダーはIHGの会員ランクとは別のプログラムなので、ステータスマッチの外にあります。逆に言えば、消えないのはそこだけです。

約276,000円(275,511円)が、2泊に置き換わる。 これが今回の提携の大きさです。

なお、上の金額は課金プランを紹介している動画のなかで述べられた金額です。販売元のサイトで確認したものではありません。

課金そのものを否定する話ではない

課金してホテルの上級会員を買うという考え方そのものは、否定しません。飛ぶ時間を取れない人が、時間のかわりにお金を置く。合理的です。その人にとっては計算が成り立っています。

引っかかるのは別のところです。すでに飛んでいる人が、同じ金額を出そうとしている場合。 これは、もう払い終えたものを、もう一度買うことになります。

修行はよく「飛ぶこと自体が目的になっている」と言われます。今回の件は、それに対する静かな答えになっていると思います。空で積み上げた実績が、泊まる側の実績としてそのまま数えられていた。目的が増えたのではなくて、積み上げてきたものの使い道が増えただけです。

金額を見て払うかどうかを迷う立場と、金額の外側にいる立場は違います。外側に回れるのに現金を出すのが、いちばんもったいない。

もし今まさに決済の画面を開こうとしているなら、その前に自分のANAのステイタスを見てください。持っているなら、必要なのはカードを出すことではなく、次の旅程に2泊足すことです。

自分がどこまで届くか確かめる

このステータスマッチで効くのは、ANA側のステイタスです。ダイヤモンドまで届くかどうかは、区間ごとにプレミアムポイントを積み上げて数えるしかありません。区間と運賃からPPと単価を出せる計算ツールを用意しています。

旅そろばん(PP単価計算)を使う

出典

2026年9月4日時点の記載内容です。対象ホテル、除外条件、2泊の数え方、アカウント連携の方法は2026年10月に発表される予定です。最新の内容は必ずANAおよびIHGの公式サイトでご確認ください。